大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)302 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人及び弁護人中野義定の各上告趣意は、末尾に添えた書面記載のとおりであ

る。

論旨中、被告人が第八軍軍事裁判所において重労働三〇年の刑に処せられた同一

犯行につき被告人を重ねて処罰することは憲法三九条に違反するとの主張の理由が

ないことは、当裁判所大法廷判決(昭和二七年(あ)六〇一〇号同二八年七月二二

日大法廷判決、集七巻七号一六二一頁以下)の「憲法三九条は同一犯罪につき、わ

が国の憲法による裁判権によつて二重に刑事上の責任を問うことを禁じた趣旨と解

すべきである。……しかるに、占領軍軍事裁判所は、連合国最高司令官によつて設

立されたもので、その裁判権は同司令官の権限に由来し、わが国の裁判権にもとず

くものではない。従つて、すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について重ね

てわが裁判所で処罰をすることがあつても、憲法三九条に違反するものということ

はできない。」との判示に照らし明らかである。その他の所論は事実誤認又は量刑

不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二九年五月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 助

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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